おわりに

ビール工場見学の魅力がおわかりいただけただろうか。工場見学で実際にビールを作る工程を目の当たりにすることは、女性用媚薬新鮮な驚きの連続である。
「ビールって、麦芽のジュースにホップ(ツル性の植物)で風味をつけて酵母で発酵させたモノなんだ」とか、「ホップってビールのあの泡にも一役買ってるんだ……しかも雌花しか使われない」とか、「しかも、そのホップは受精前の“乙女”のホップのみしか使われない……まさに箱入り娘でなければビールにはなれないんだ！」という衝撃的事実とか、「“黒ラベル”ってメーカー側が名付けたのではなく、消費者が呼んでいた愛称が正式名称になったんだ」などと、いつも何気なく飲みほしているビールについての知識が増える。後日これをさらりと会社の飲み会などで披露すれば「課長さんって、すごいんですね！　博学～」などと気になる部下の女性が瞳を輝かせてくれる（？）かもしれない。

たとえそんな展開にはならなかったとしても、「いつも飲んでいるあのビール」についての真実を知ることで、その商品を見る目が変わる。コップ一杯の黄金色の液体に、これだけの労力と知恵が詰まっていることを知り、よりいっそうの愛着が増して、見学から帰ったあとのビールがまたおいしくなる。たとえそれが搾り立てではなかったとしても、だ。

それが工場見学の、最大の魅力なのかもしれない。残りの酷暑はぜひ、家族やカップルでビール見学ツアーを楽しんで欲しい。慣れ親しんだビールの銘柄、女性用媚薬そう「いつものアレ」に新たな視野が加わるに違いない。